「過年分の還付申告 提出期限に関するお知らせ」という国税庁・e-Taxを名乗るメールが届いても、メール内のリンクやボタンからログインしないでください。
2026年10月7日時点でe-Taxが公開している正規メールの種類を確認すると、この件名は掲載されておらず、同じ件名を使った不審メールの実例も確認されています。
一方、過去の年分について所得税の還付申告ができる「5年間」という期限自体は実在するため、本当の税制度と偽メールを切り分けて考える必要があります。
ここでは、このメールを国税庁からの正規メールとして扱えない理由、本物を安全に確認する方法、すでにリンクを開いた場合の対応、実際の還付申告期限まで整理します。
結論:「過年分の還付申告 提出期限に関するお知らせ」は正規メールとして扱わない
「過年分の還付申告 提出期限に関するお知らせ」という件名のメールは、メール本文からe-Taxへアクセスせず、不審メールとして扱うのが適切です。
e-Taxは、メールアドレスを登録した利用者へ「税務署からのお知らせ」などを送ることがありますが、送信するメールの件名と定型文を公式サイトで公開しています。
2026年10月7日時点の公式一覧では、「過年分の還付申告 提出期限に関するお知らせ」という件名は確認できません。
還付申告をした人に実際に送信されるメールとして公式サイトに掲載されているのは、「税務署からのお知らせ(****様)【還付金の処理状況に関するお知らせ】」です。
さらに国税庁は、公式ページに掲載しているパターンと異なるメールはe-Taxから送信したものではないと注意喚起しています。
最も安全な判断方法
メールに書かれたURLやボタンは使わず、自分でe-Tax公式サイトを開き、メッセージボックスに同じ通知が存在するか確認してください。
サイト名:e-Tax 国税電子申告・納税システム
サイトURL:https://www.e-tax.nta.go.jp/topics/topics_oshirase_mail.htm
資料・記事タイトル:「税務署からのお知らせ」等のメールが届いた方へ
公開・更新日時:記載なし(確認日:2026年10月7日)
このメールを不審メールと判断できる理由
公式のメール件名と一致しない
e-Taxは、メールアドレスを登録している利用者に対し、メッセージボックスへ情報を格納した際などにメールを送信しています。
正規メールには「税務署からのお知らせ(****様)【申告に関するお知らせ】」「税務署からのお知らせ(****様)【還付金の処理状況に関するお知らせ】」など、公式サイトで公開された定型の件名があります。
これに対し、「過年分の還付申告 提出期限に関するお知らせ」という件名は、現在公開されているメール種類の一覧にはありません。
件名がそれらしく作られていても、「還付申告」「提出期限」「国税庁」といった言葉だけで正規メールとは判断できません。
同じ件名を使った不審メールが実際に報告されている
2026年10月2日には、「過年分の還付申告 提出期限に関するお知らせ」という件名で国税庁を装ったメールの事例が複数公開されています。
確認された事例では、「e-Tax メッセージボックスに未読のお知らせがあります」などと表示し、e-Taxへのログインを促す内容になっていました。
送信元には国税庁とは関係のないドメインを使用したアドレスも確認されています。
これらは第三者が収集した迷惑メール事例ですが、真偽の最終判断は投稿情報だけではなく、e-Taxが公開している正規メールの件名・定型文と照合して行っています。
サイト名:迷惑メール.jp
サイトURL:https://meiwakumail.jp/mail/95049/
資料・記事タイトル:過年分の還付申告 提出期限に関するお知らせ
公開・更新日時:2026年10月2日
件名や本文に見えにくい特殊文字が混ざる事例もある
今回確認されているメールには、画面上では普通の日本語に見えても、文字列をコピーすると「還付申告」「お知らせ」のように通常とは異なる文字が挟まっている事例があります。
今回の件名をコピーして検索した際に、不自然な空白や文字の区切れが残る場合は、この特徴と一致する可能性があります。
ただし、特殊文字の有無だけでメールの真偽を判断するのではなく、公式のメール一覧とe-Taxのメッセージボックスを確認する方法が確実です。
送信元が「info@e-tax.nta.go.jp」でも、それだけでは信用できない
e-Taxから送信する正規メールの送信元表記は「e-Tax(国税電子申告・納税システム)<info@e-tax.nta.go.jp>」です。
しかし、国税庁自身が送信元アドレスや表示名を正規のものに見せかけた「なりすましメール」があると注意喚起しています。
そのため、差出人欄に「国税庁」や「info@e-tax.nta.go.jp」と表示されていることだけを本物の根拠にしてはいけません。
正規メールは原則として本文にURLを記載しない
e-Taxは、正規の「税務署からのお知らせ」等について、原則としてメール本文にURLを記載しないと案内しています。
登録メールアドレスや宛名などを更新した際の到達確認用ワンタイムURLなど例外はありますが、通常のお知らせでメール内のURLからログインを急がせる内容は特に注意が必要です。
国税庁も、不審メールについてはメール内のリンクを使用せず、e-Taxホームページからログインして確認するよう案内しています。
機関名:国税庁
法令・制度・資料名:不審なメールや電話にご注意ください
該当条文・項目:e-Taxをご利用されている方へ
施行日・更新日:記載なし(確認日:2026年10月7日)
URL:https://www.nta.go.jp/information/attention/attention.htm
本物か確かめるならメールを経由せずe-Taxを直接確認する
メールが本物か偽物かを細かな文面だけで判定する必要はありません。
メールを閉じ、自分でe-Tax公式サイトを開いてメッセージボックスを確認すれば、偽リンクを踏まずに必要な通知の有無を確認できます。
- メール本文のリンク、画像、ボタンを押さずにメールを閉じます。
- ブラウザのブックマークや自分で入力した正規URLからe-Taxを開きます。
- 正規の方法でログインします。
- 「お知らせ・受信通知」やマイページを確認します。
- メールと同じ内容の通知が存在しなければ、メールから操作を続けないでください。
e-Taxを利用したことがなく、メールアドレスも登録していないのにe-Taxからのお知らせを名乗るメールが届いた場合も、メール内の案内に従う必要はありません。
e-Taxの正規メールは、e-Tax利用時にメールアドレスを登録している人へ送信される仕組みだからです。
すでにメールを開いた・リンクを押した場合の対処
必要な対応は、メールを見ただけなのか、偽サイトで情報を入力したのかによって変わります。
| 状況 | 判断 | 今行うこと |
|---|---|---|
| メールを受信・開封しただけ | リンクや添付ファイルを操作していなければ、追加操作をしないことが重要です。 | リンクを押さず、迷惑メールとして報告して削除します。 |
| リンクを開いたが何も入力していない | フィッシングサイトだった可能性があります。 | ページを閉じ、情報を入力したりアプリやファイルをダウンロードしたりしないでください。 |
| ID・パスワードを入力した | 認証情報を第三者に取得された可能性があります。 | 正規サイトから速やかにパスワードを変更し、同じパスワードを使用しているほかのサービスも変更します。 |
| カード・銀行情報を入力した | 金銭的被害につながる可能性があります。 | カード会社や金融機関の正規窓口へ速やかに連絡し、必要な利用停止や被害確認を行います。 |
| アプリやファイルを入れた | 不正なソフトウェアを導入した可能性を考える必要があります。 | それ以上操作せず、端末のセキュリティ確認を行い、必要に応じて端末メーカーや通信事業者などの正規サポートへ相談します。 |
警察庁も、フィッシングサイトへIDやパスワードを入力した場合は速やかに変更し、同じ認証情報を利用しているサービスについても変更するよう案内しています。
金銭的な被害が生じた場合は、利用している金融機関やカード会社への連絡に加え、警察への相談も検討してください。
機関名:警察庁
法令・制度・資料名:フィッシング対策
該当条文・項目:フィッシングの被害に遭ったら・被害防止対策
施行日・更新日:記載なし(確認日:2026年10月7日)
URL:https://www.npa.go.jp/bureau/cyber/countermeasures/phishing.html
過年分の還付申告に「5年の提出期限」があるのは本当
不審メールとは別に、所得税の還付申告には実際に提出期限があります。
確定申告をする義務がない人が還付申告をする場合は、対象年の翌年1月1日から5年間提出できます。
たとえば、令和3年分(2021年分)の還付申告は令和4年1月1日から令和8年12月31日まで提出できます。
令和7年分(2025年分)であれば、令和8年1月1日から令和12年12月31日までです。
つまり「過去の還付申告には期限がある」という部分は事実ですが、その事実を利用して送られてくるメールが国税庁からの正規通知とは限りません。
注意点
この5年間という扱いは、確定申告義務のない人が行う還付申告についての基本ルールです。
青色申告特別控除など、法定申告期限までの提出が適用要件となる制度では扱いが異なるため、「還付になる申告なら何でも5年間大丈夫」とは限りません。
機関名:国税庁
法令・制度・資料名:No.2030 還付申告
該当条文・項目:申告等の期限
施行日・更新日:2026年4月1日現在法令等
URL:https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2030.htm
差出人が国税庁ならメールを信用してもよい?
差出人の表示だけでは判断できません。
正規のe-Taxメールは「info@e-tax.nta.go.jp」から送信されますが、国税庁は送信元表記や表示名を偽装したメールが存在すると明示しています。
差出人、ロゴ、日本語の自然さのどれか一つではなく、公式サイトから直接e-Taxへ入り、実際に通知が存在するか確認してください。
メールを削除しても大丈夫?
メール本文のリンクを使う必要はありません。
不安であれば削除前に、自分でe-Tax公式サイトへアクセスしてメッセージボックスを確認してください。
正規の通知が確認できなければ、不審メールとして報告したうえで削除できます。
確認のためにメール内のリンクをもう一度開く必要はありません。
まとめ:提出期限は本物でも、メールは別に確認する
「過年分の還付申告 提出期限に関するお知らせ」という件名のメールは、2026年10月7日時点ではe-Taxの正規メール一覧に掲載されておらず、同じ件名を使った不審メールの事例も確認されています。
過年分の還付申告に5年間の提出期限があること自体は事実ですが、それを理由にメールを信用してはいけません。
メール内のURLやボタンは使わず、自分でe-Tax公式サイトを開いてメッセージボックスを確認するのが最も安全です。
IDやパスワードを入力してしまった場合は速やかに変更し、カードや銀行情報まで入力した場合は各社の正規窓口へ連絡してください。


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